Citrix ローカルホストキャッシュ（LHC）の再作成方法

2020年9月3日2021年12月16日

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こんにちは、Citrix製品のシステムエンジニア歴10年 ばにゃです。

本記事では、Citrix Delivery Controller 上で「ID：505、ソース：Citrix Config Sync Service」のエラーが記録された場合の対処方法について解説します。

イベントログに記録されるエラーの詳細は以下となります。

ID	ソース	説明
505	Citrix Config Sync Service	Citrix Config Sync Service がインポートに失敗しました。

対処方法は以下となります。

ローカルホストキャッシュの無効化/有効化
ローカルホストキャッシュの再作成

本記事で解説するローカルホストキャッシュは、Citrix XenApp XenDesktop 7.12 以降に実装されたローカルホストキャッシュに関する内容となります。XenApp 6.5 以前に実装されていたローカルホストキャッシュは、名前は同じですが中身が全く異なるものであるため、本記事の内容は該当しません。

前提となる環境

本記事では、以下のような環境を例として記載します。この環境で私自身が実機動作確認済みの手順となります。

環境

Citrix XenApp XenDesktop 7.12 以降
Citrix Virtual Apps and Desktops 1903 以降

対処方法

ローカルホストキャッシュの無効化/有効化

ローカルホストキャッシュの無効化/有効化を行う手順となります。この手順で事象回避されない場合はローカルホストキャッシュの再作成を行ってください。

該当イベントが記録されるサーバーに管理者権限のユーザーでサインインします。
Citrix Studio を起動します。
Citrix Studio の管理コンソール内から PowerShell を起動します。
PowerShell より以下のコマンドを実行します。

Set-BrokerSite -LocalHostCacheEnabled $false -ConnectionLeasingEnabled $true

続いて、PowerShellより以下のコマンドを実行します。

Set-BrokerSite -LocalHostCacheEnabled $true -ConnectionLeasingEnabled $false

しばらく時間をおいた後、イベントが記録されなくなっていることを確認します。

ローカルホストキャッシュの再作成

ローカルホストキャッシュの再作成を行う手順となります。基本的にこの対処を行うことでほぼ事象回避されます。

以下サイトより PsExec をダウンロードします。
https://docs.microsoft.com/en-us/sysinternals/downloads/psexec
該当イベントが記録されるサーバーに管理者権限のユーザーでサインインし、ダウンロードした PsExec を適当な場所に格納します。
以下のサービスを停止します。
Citrix High Availability Service
コマンドプロンプトを起動し、PsExec を格納したフォルダに移動した後、以下のコマンドを実行します。

psexec64 -i -u "NT AUTHORITY\NETWORK SERVICE" cmd

「PsExec License Agreement」画面が表示されるので「Agree」をクリックします。
新規に起動したコマンドプロンプトにて、以下のコマンドを実行します。

whoami

以下のように表示されることを確認します。

nt authority\network service

続いて以下のコマンドを実行します。

cd "C:\Program Files\Microsoft SQL Server\120\Tools\Binn"

続いて以下のコマンドを実行し、CitrixHA を停止します。

SqlLocalDB stop CitrixHA

以下のように表示されることを確認します。

LocalDB インスタンス "CitrixHA" が停止されました

続いて以下のコマンドを実行し、CitrixHA を削除します。

SqlLocalDB delete CitrixHA

以下のように表示されることを確認します。

LocalDB インスタンス "CitrixHA" が削除されました

エクスプローラーを開き、以下のファイルを削除します。
C:\Windows\ServiceProfiles\NetworkService\HADatabaseName.*
C:\Windows\ServiceProfiles\NetworkService\HAImportDatabase.*
以下のサービスを起動します。
Citrix High Availability Service
しばらく時間をおいた後、以下のコマンドを実行し、CitrixHAが再作成されていることを確認します。